今日は、和食の基本とマナーを学ぶセミナーを開催しました。和食は日本の大切な文化ですが、いざ料亭や正式な席に行くと、「これで合っているのかな?」と不安になることもありますよね。
今回のブログ記事では、セミナーの内容を基に、和食の知識と食事中のマナーについてご紹介します。
1. 和食の基本:本膳料理、会席料理、懐石料理の違い
日本料理は、大きく分けて伝統的な「本膳料理」、宴会で供される「会席料理」、お茶で供される「懐石料理」の3つに分類されます。
- 本膳料理:武家がお客をもてなすための正式な料理形式で、現代ではほとんど見られません。
- 会席料理:料亭や旅館、結婚披露宴などで供される酒宴向きの料理で、現在の和食の主流です。
- 懐石料理:本来は茶会の席で、一時の空腹をしのぐために出された軽い料理です。
2. 食事前の作法:おしぼりの正しい使い方
食事の前に出されるおしぼりにも、きちんとしたルールがあります。
- おしぼりの基本ルールは「手を拭く」以外はタブーです。
- 顔や体、食事中に口を拭くのはマナー違反とされます。
- テーブルの汚れや飲み物の水滴を拭くのも、おしぼりが台布巾ではないためタブーです。
- 正しい使い方:
- 右手で取り上げ、左手に持ち替えます。
- 丁寧に開いて両手を拭きます。
- 拭いた部分を内側にしてたたみ、元の位置(トレーなど)に戻します。
3. 和食の要:正しい箸の作法
和食の作法は「箸使いに尽きる」と言われるほど、箸の使い方は重要です。
正しい箸の持ち方(三手)
正しい持ち方を身につけることで、相手に不快感を与えずに済みます。
- 右手で箸の中ほどを上から軽く持ち上げます。
- 左手で下から支え、右手は横に滑らせて箸の下へ移動します。
- 右手を返して、箸の上から1/3あたりを指先で持ち直します。
- 左手を外したら、人差し指と中指で上の箸を挟み、下の箸は固定して正しく持ちます。
箸のタブー(嫌い箸)
同席者に不快感を与える箸の使い方を「嫌い箸」と呼びます。
- 寄せ箸(よせばし):箸で器を引き寄せる。
- 移し箸(うつしばし):箸から箸へ食べ物を渡す(火葬場で骨を拾う行為を連想させるため)。
- 刺し箸(さしばし):食べ物を箸で突き刺して食べる。
- 舐り箸(ねぶりばし):箸の先を口に入れて舐める。
- 渡し箸(わたしばし):箸置き代わりに器の上に箸を置く。
- その他:箸先は、汚れても3cm程度(一寸)に抑えるようにしましょう。
4. 会席料理の食べ方とマナー
会席料理の席で実践したい、具体的な食べ方のマナーです。
- 食べる順番:基本的に、出された順に箸をつけます。
- 器の扱い:
- 平皿や大鉢など、大きなサイズの器は持ち上げません。
- 小鉢や汁物のお椀など、小さな器は手に持って食べるのが作法です。
- 手皿は禁止:汁気のあるものは、取り皿を口の近くまで持ってきて受けましょう。
- 焼き魚の食べ方:
- 頭側(左)から箸をつけて、上身(奥側、手前側)を食べ進めます。
- 上身を食べ終えたら、魚を裏返すのではなく、中骨と下身の間に箸を入れて骨を外します。
- 外した骨は、お皿の向こう側や左奥にまとめておきます。
- 残った下身を、そのまま食べます。
- お椀の蓋:汁物をいただく際、蓋は両手で持ち上げ、「の」の字を描くように開けて、水滴が付いた内側を上にしてお椀の向こう側(奥)に置きます。食べ終わったら、蓋は元通りに戻します。
和食の作法を身につけることは、同席者へ敬意を払うことにつながります。皆様のこれからにお役立ていただければ幸いです。




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