先日、林先生のSST(ソーシャルスキルトレーニング)に参加しました。このトレーニングは、コミュニケーション能力を向上させるためのもので、特に**「質問力」と「答える力」**を養う、ユニークなプログラムが印象的でした。
積極的な質問力をつける「10の質問」
このプログラムは、先生が提示した1つのキーワードに対し、参加者全員で10個の質問を投げかけ、最終的にディスカッションを通じて答えを導き出すというものです。この演習の目的は、単に答えを見つけることではなく、積極的な質問力を養うこと。質問を重ねることで、物事を多角的に捉え、より深く理解する力が身につくことを実感しました。
答える力を養う「逆10の質問」
次に体験したのが「逆10の質問」。これは、出された10個の質問すべてに「はい」と答えるという、一見シンプルな演習です。このトレーニングの目的は、質問者の意図を読み解き、的確に答える力を養うこと。質問者が意図的に誘導的な質問を投げかけることで、最終的に「犬のステーキ」という奇妙な答えが導き出される場面もありました。言葉で説明するのが難しく、絵を描いて説明する参加者もいるなど、コミュニケーションの奥深さを感じさせる時間でした。
「呼ぶトレーニング」で伝わる・伝わらないを体験
そして、最も実践的で面白かったのが**「呼ぶトレーニング」です。これは、「自分の伝えたいことは、思った以上に伝わらない」**というテーマを体感するための演習でした。
ルールはシンプルです。
- 参加者の中から1人のターゲットを決めます。
- ターゲット以外の人は目をつぶります。
- 呼ぶ人は、そのターゲットに聞こえるように呼びかけます。
- 自分だと思った人は挙手します。
- ターゲット以外が挙手したら「あなたじゃない」と伝えます。
- ターゲットだけが挙手したら「伝わった!」と成功と見なします。
このトレーニングを通して、いかに自分の意図が他者に伝わりにくいかを身をもって知ることができました。
応用バージョンとして、**「バカ・結婚しよう」というフレーズを呼びかける練習もしました。これは、言いづらさが加わることで正答率がぐっと下がりました。この実験は、「言いづらいことを伝えることの難しさ」**を明確に示していました。
今回のSSTを通して、コミュニケーションはただ話すだけでなく、**「どのように質問し、どのように答えるか」「いかに正確に意図を伝えるか」**が重要であることを学びました。これらのトレーニングは、今後の人間関係を築く上で、非常に役立つスキルになると感じています。
